症例紹介

犬の下痢の症状と原因、治療について|豊中市のゆう動物病院

消化器科

豊中市の皆さんこんにちは。豊中市のゆう動物病院です。今回は犬の下痢の症状と原因、治療について院長の松村が解説いたします。

下痢は、犬を飼っていると一度は経験する、とても身近な症状です。その一方で「よくあることだから」「少し様子を見れば治るだろう」と見過ごされやすい症状でもあります。しかし、下痢は体からの大切なサインであり、背景には単なる食べ過ぎだけでなく、感染症や内臓の病気、時には命に関わる状態が隠れていることもあります。特に子犬や高齢の犬では、下痢が続くことで急激に体力が落ち、脱水や低血糖を起こすリスクも高くなります。そのため、下痢を軽く考えず、早い段階で原因を見極めることがとても重要になります。

下痢とはどのような状態か

下痢とは、腸の中で水分がうまく吸収されず、便がやわらかくなったり、水のようになったりする状態を指します。健康な犬の腸は、食べ物を消化しながら必要な栄養と水分を吸収し、不要なものだけを便として排出しています。しかし、腸に炎症が起きたり、腸の動きが速くなりすぎたりすると、水分を十分に吸収できないまま便が押し出されてしまいます。その結果、下痢として現れてくるのです。
下痢は年齢や犬種を問わず起こりますが、消化器が未発達な子犬や、腸の働きが弱ってきた高齢の犬では特に起こりやすい傾向があります。また、体が小さい犬ほど、下痢による水分喪失の影響を受けやすいため注意が必要です。

下痢の主な症状

ある日突然、水溶性の下痢や血便など激しい下痢症状を起こすこともあれば、最初は軟便から始まることもあります。

軽傷の下痢

最初の段階では、便がいつもより少しやわらかい、回数が増えたといった変化から始まることが多いです。散歩中に何度も立ち止まって排便しようとしたり、家の中でトイレに行く回数が増えたりする様子が見られることもあります。この時点では、食欲や元気が普段と変わらない場合も多く、飼い主の方が「少しお腹を壊しただけかな」と感じることが少なくありません。

進行した下痢 重症の下痢

下痢が続いたり悪化したりすると、便が水っぽくなり、強い臭いを伴うようになります。さらに進むと、血が混じったり、ゼリー状の粘液が付着したりすることもあります。この頃になると、食欲が落ちたり、元気がなく寝ている時間が増えたりと、全身状態にも変化が出てきます。嘔吐を伴う場合や、ぐったりして立ち上がるのがつらそうな様子が見られる場合は、早急な受診が必要です。

発症する主な原因

下痢の原因は一つとは限らず、いくつかの要因が重なって起こることも少なくありません。

急な食事変更や、生活環境、気温の変化などによるストレス

急にフードを変更した場合や、普段食べ慣れていないおやつ、人の食べ物を口にした場合、腸がうまく対応できず下痢を起こすことがあります。また、引っ越しや家族構成の変化、長時間の留守番など、犬にとってのストレスも腸の働きに大きく影響します。腸はとても繊細な臓器で、精神的な負担がそのまま下痢として現れることも珍しくありません。

感染症や寄生虫

ウイルスや細菌、寄生虫による腸炎も、下痢の代表的な原因です。特に子犬では、免疫が十分でないため感染症による重い下痢を起こすことがあります。ワクチン接種が済んでいない時期や、他の犬との接触が多い環境では注意が必要です。

内臓の病気

膵臓や肝臓、腎臓といった消化に関わる臓器の病気が、下痢として現れることもあります。この場合、下痢は体の不調を知らせるサインの一つであり、根本的な病気を見つけることが治療の鍵になります。

当院での検査と診断

当院では、下痢という症状だけを見るのではなく、その子の年齢、生活環境、食事内容、これまでの病歴などを丁寧に伺いながら診断を進めていきます。問診はとても重要で、飼い主の方からの何気ない一言が、原因を特定する大きなヒントになることもあります。

必要に応じて、便の検査を行い、細菌や寄生虫の有無を確認します。また、血液検査では炎症の程度や内臓の状態を把握することができます。症状が重い場合や長引いている場合には、レントゲンや超音波検査を行い、腸の動きや異物の有無、他の臓器の異常がないかを総合的に確認します。

治療方法について

下痢の治療は、原因と症状の重さによって大きく異なります。

内科的治療

多くの場合は、腸の炎症を抑える薬や、腸内環境を整える整腸剤を使用した内科的治療が中心となります。脱水が見られる場合には点滴を行い、体のバランスを整えます。原因が感染症であれば、それに応じた薬を選択します。

外科的治療

まれではありますが、腸に異物が詰まっている場合や、腫瘍などが原因で下痢が起きている場合には、外科的な治療が必要になることもあります。この判断は慎重に行い、飼い主の方と十分に相談したうえで進めていきます。

生活環境や食事のケア

治療と並行して、食事内容の見直しや生活環境の調整もとても大切です。一時的に消化の良い食事に切り替えたり、食事の回数を分けたりすることで、腸への負担を減らします。治療のゴールは、原因によって完治を目指す場合もあれば、再発を防ぎながら上手に付き合っていく場合もあります。

飼い主様ができる予防と日常ケア

日頃から便の状態を観察することは、下痢の早期発見につながります。散歩やトイレの際に、色や硬さ、回数をさりげなく確認してみてください。また、食事は急に変えず、切り替える際には少しずつ混ぜながら時間をかけることが大切です。拾い食いを防ぐために、散歩中の様子にも気を配ってあげましょう。

まとめ

犬の下痢はよくある症状ですが、その背景にはさまざまな原因が隠れています。早期に気づき、適切な対応をすることで、愛犬の負担を最小限に抑えることができます。少しでも「いつもと違う」と感じることがあれば、迷わず当院へご相談ください。豊中市のゆう動物病院では、飼い主様と一緒に愛犬の健康を守るお手伝いをしていきたいと考えています。