椎間板ヘルニア
3月29日金曜は臨時休診日です。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします
9歳のMダックスの女の子です。
前日は歩き方がフラフラしていたが、本日からほとんど歩かず、後ろ足を引きずっているとのことで来院されました。
両側の後ろ足が麻痺を起こしており力が入らず、腰も痛そうでつらそうでした。
身体検査、神経学的検査、レントゲン検査から椎間板ヘルニアによる麻痺を疑い、皮下注射および入院によるケージレストを実施しました。
両側の後ろ足麻痺の様子
※写真はこの子ではありません。
腰の椎間板疾患の重症度分類はグループI(軽傷)〜Ⅳb(重症)に分類されます。
グループⅠ:初めての背部痛、神経症状なし
グループⅡ:痛みの再発、歩行可能な不全麻痺
グループⅢ:歩行不可能な不全麻痺
グループⅣa:両側麻痺、深部痛覚あり
グループⅣb:両側麻痺、深部痛覚消失後48時間以内
グループⅣc:両側麻痺、深部痛覚消失後48時間以上
このこは重症と言われるグループⅣaでした。
翌日、幸いにも症状は少し改善し、腰痛は軽減、機嫌よく少し尾を振れるまで回復しましたが、両側後ろ足の麻痺の改善が認められなかったため、CT検査を実施しました。
CT検査の結果、第二〜第三腰椎右側からの椎間板ヘルニアハンセン1型と診断されました。
横向きのCT
L2-L3 下から椎間板ヘルニアによる圧迫があります
上から見たCT
右側(写真では左側)からの椎間板ヘルニアによる圧迫があります
手術後2日目
そこで翌日に椎間板ヘルニアの手術を実施しました。
経過は順調で手術翌日には立てるようになりました。
手術後6日目
全く力が入らなかった両足もしっかり立ち上がれるようになりました。
手術後14日
手術の抜糸を行いました。少しふらつきはありますが、しっかり歩けるまでに改善しました。
その後リハビリの通院を続けてもらっていますが、日に日によくなっています。