犬と猫の皮膚糸状菌症の症状と原因、治療について|豊中市のゆう動物病院 NEW
豊中市の皆さんこんにちは。豊中市のゆう動物病院です。
今回は犬と猫の皮膚糸状菌症の症状と原因、治療について院長の松村が解説いたします。
皮膚糸状菌症は、見た目が比較的おだやかに始まることが多いため、「少し毛が薄いだけ」「そのうち治るだろう」と様子を見られがちな病気です。しかし実際には、進行すると治療が長期化しやすく、さらに人や他の動物へうつる可能性もあるため、早めの対応がとても重要になります。特に猫から犬、あるいは犬から人へと感染が広がるケースもあり、ご家族全体の問題になることも少なくありません。そのため、この病気を正しく知り、早期に気づくことが愛犬とご家族を守る第一歩になります。
犬と猫の皮膚糸状菌症とはどのような病気か
皮膚糸状菌症とは、カビの一種である皮膚糸状菌が皮膚や被毛、爪に感染して起こる感染症です。
最も多い原因菌はM.Canisであり、猫の糸状菌症の99%、犬の糸状菌症の70%を占めます
この菌は、皮膚の表面にある角質や毛の成分を栄養にして増殖します。その結果、毛が途中で折れたり抜けたりして、円形の脱毛が生じます。炎症が強くない場合も多いため、かゆみが目立たず、気づくのが遅れてしまうことがあるのが特徴です。
年齢としては、免疫力がまだ十分に整っていない子犬や子猫、体力や免疫が低下しがちな高齢犬や高齢猫で発症しやすい傾向があります。また、多頭飼育環境や、ペットホテル・トリミング施設など、不特定多数の動物と接触する機会が多い犬では感染リスクが高まります。
犬や猫の糸状菌症の症状
皮膚糸状菌症の初期では、顔まわりや耳、前足などに小さな脱毛が見られることが多くなります。ある日ブラッシングをしていて、「あれ、ここだけ毛が薄いな」と感じたり、触ると少しザラついた感じがしたりする程度の変化から始まることもあります。赤みや強いかゆみが出ないことも多いため、愛犬自身もあまり気にしていない様子に見えるかもしれません。
そのまま時間が経つと、脱毛部分が少しずつ広がり、円形や不整形の脱毛斑が複数できてきます。皮膚の表面にはフケのような白い粉が付着したり、軽いかさぶたが見られたりすることもあります。免疫状態や体調によっては、細菌感染を併発して赤みやかゆみが強くなり、掻き壊しによって皮膚炎が悪化するケースもあります。さらに、人の腕や首に似たような発疹が出て、そこから感染に気づくこともあります。
当院での検査と診断
当院では、皮膚糸状菌症が疑われる場合、見た目だけで判断することはありません。なぜなら、似たような脱毛やフケを示す病気が他にも多く存在するからです。
①病歴や身体検査
口や顔、頭、耳、指先に脱毛が認められます
②ウッド等検査
陽性なら顕微鏡で皮毛を観察して診断します
陰性で疑わしい場合は、培養検査を実施します
治療方法について
①感染源の特定、同居動物の存在の確認、生活環境の汚染状況の確認
感染源があると、同居の動物に感染をしたり、治療しても治りにくくなります
②毛刈り
感染している皮毛の減少により、治療への反応が良くなります
③抗真菌シャンプーや塗り薬
マラセブシャンプーによる定期的なシャンプーや、塗り薬による治療
④飲み薬
重度の感染や、全身に広がってきている場合は飲み薬によって治療します
まとめ
猫の皮膚糸状菌症は、犬にも感染し、人にも広がる可能性のある病気です。しかし、早期に発見し、適切な検査と治療を行えば、過度に怖がる必要はありません。何より大切なのは、「いつもと違うかもしれない」という小さな気づきを見逃さないことです。
愛犬の皮膚や被毛の様子が少しでも気になる場合は、迷わず当院へご相談ください。院長として、そして獣医師として、飼い主様と一緒に最善の治療とケアを考えていきたいと思っています。

