犬の椎間板ヘルニアの症状と原因、治療について|豊中市のゆう動物病院
豊中市の皆さんこんにちは。豊中市のゆう動物病院です。
今回は犬の椎間板ヘルニアの症状と原因、治療について院長の松村が解説いたします。
犬の椎間板ヘルニアは、ある日突然歩き方がおかしくなったり、抱き上げたときに痛がったりと、飼い主様が強い不安を感じやすい病気のひとつです。軽い違和感の段階であれば回復が期待できる一方、発見が遅れると歩けなくなったり、排泄がうまくできなくなったりすることもあります。そのため、早期に気づき、適切な治療を始めることが非常に重要になります。
犬の椎間板ヘルニアとはどのような病気か
犬の椎間板ヘルニアとは、背骨と背骨の間にある「椎間板」と呼ばれるクッションの役割をしている組織が変性し、本来の位置から飛び出してしまう病気です。この飛び出した椎間板が脊髄を圧迫することで、痛みや神経症状が現れます。
椎間板は若く健康なうちは弾力がありますが、年齢を重ねたり、体への負担が続いたりすることで徐々に硬くなります。その結果、ちょっとした衝撃や無理な動きがきっかけとなり、中身が飛び出してしまうことがあります。人間の腰痛のヘルニアと似た仕組みと考えていただくと、イメージしやすいかもしれません。
特に胴が長く足が短い体型の犬種では、この椎間板に負担がかかりやすく、比較的若い年齢から発症することがあります。好発犬種としては、ダックスフンド、フレンチ・ブルドッグ、コーギー、ビーグルなどが知られていますが、どの犬種でも起こり得る病気です。
犬の椎間板ヘルニアの主な症状
軽症の症状
椎間板ヘルニアの初期には、はっきりとした麻痺が見られないことも多く、見逃されがちです。例えば、散歩の途中で急に立ち止まるようになった、階段やソファへのジャンプを嫌がるようになった、以前より動きがゆっくりになった、といった変化が最初のサインになることがあります。
また、抱き上げたときにキャンと鳴いたり、背中や首を触られるのを嫌がったりする場合もあります。こうした様子は、単なる疲れや気分の問題と誤解されやすいのですが、実は背骨に痛みが出始めている可能性があります。
重症の症状
症状が進行すると、歩き方がふらついたり、後ろ足を引きずるようになったりします。さらに悪化すると、自力で立てなくなり、完全に歩行ができなくなることもあります。また、排尿や排便がうまくできなくなるケースもあり、生活の質に大きな影響を及ぼします。
この段階になると、治療の選択肢や回復までの期間も変わってくるため、できるだけ早い段階で動物病院を受診することが大切です。
発症する主な原因
椎間板ヘルニアは、単一の原因で起こるというよりも、体の構造や生活習慣が積み重なって発症することが多い病気です。遺伝的に椎間板が変性しやすい犬種では、若いうちから注意が必要になります。
また、肥満も大きな要因のひとつです。体重が増えることで背骨にかかる負担が増し、椎間板が傷みやすくなります。さらに、日常的にソファやベッドから飛び降りる習慣がある場合や、フローリングで滑りやすい環境も、背骨への負担を増やす要因となります。
当院での検査と診断
当院では、まず飼い主様から詳しくお話を伺い、いつからどのような変化があったのかを丁寧に確認します。その上で、神経学的な検査を行い、どの部位に異常がありそうかを判断します。
必要に応じてレントゲン検査を行い、背骨の形や椎間板の状態を確認します。ただし、レントゲンだけでは分からない情報も多いため、症状が重い場合や手術を検討する場合には、MRI検査などの高度な検査が必要になることもあります。これらの検査は、正確な診断と最適な治療方針を立てるために欠かせません。
治療方法について
内科的治療
症状が軽度の場合には、まず内科的治療を選択することが多くなります。これは、痛み止めや炎症を抑える薬を使いながら、安静を保つことで椎間板への負担を減らし、自然な回復を促す方法です。ケージレストと呼ばれる安静管理が重要で、一定期間は運動を制限する必要があります。
内科的治療のメリットは、体への負担が少ない点ですが、再発のリスクが残ることも理解しておく必要があります。
外科的治療
麻痺が進行している場合や、内科的治療で改善が見られない場合には、外科的治療を検討します。手術では、脊髄を圧迫している椎間板物質を取り除き、神経への負担を直接取り除きます。
手術にはリスクも伴いますが、適切なタイミングで行うことで、歩行機能の回復が期待できるケースも多くあります。どの治療が最適かは、症状の程度や年齢、生活環境を踏まえて慎重に判断します。
生活環境や食事のケア
治療と並行して、生活環境の見直しも非常に重要です。滑りにくい床材に変えたり、段差を減らしたりすることで、再発のリスクを下げることができます。また、体重管理を意識した食事も、背骨への負担を減らす大切な要素です。
飼い主様ができる予防と日常ケア
日常生活の中で、愛犬の動きをよく観察することが予防につながります。散歩の様子や家の中での動きに違和感がないか、普段から意識してみてください。また、無理なジャンプをさせない工夫や、適度な運動を心がけることも大切です。
体重管理は一朝一夕にはいきませんが、毎日の積み重ねが将来の健康を守ります。気になる点があれば、早めにご相談ください。
まとめ
犬の椎間板ヘルニアは、早期発見と適切な治療によって、回復や症状のコントロールが十分に期待できる病気です。小さな変化に気づくことが、愛犬の将来を大きく左右します。
愛犬の様子が少しでも気になる場合は、迷わず当院へご相談ください。飼い主様と一緒に、愛犬にとって最善の選択を考えていきたいと思います。

