犬の僧帽弁閉鎖不全症の重症度分類における症状と治療について|豊中市のゆう動物病院 NEW
豊中市の皆さんこんにちは。豊中市のゆう動物病院です。今回は犬僧帽弁閉鎖不全症(MMVD)の重症度別の症状と治療について院長の松村が解説いたします。
犬の僧帽弁閉鎖不全症は小型犬で特に多く、正しいステージ分類に基づいた管理が予後を大きく左右します。
ここではACVIMガイドラインに沿って、ステージ分類・症状・治療方針を整理します。
犬の僧帽弁閉鎖不全症とは
左心房と左心室の間にある僧帽弁がきちんと閉じなくなり、血液が逆流する病気です。
進行性ですが、早期発見・適切な治療で寿命とQOLは大きく改善します。
ステージ分類(ACVIM)
🅰️ ステージA
発症リスクはあるが、まだ病変なし
対象:キャバリア、チワワ、マルチーズなど
心雑音:なし
症状:なし
検査:正常
治療
❌ 投薬なし
✅ 定期健診(年1回以上)
🅱️ ステージB
心雑音あり・心不全症状なし
🔹 B1(心拡大なし)
心雑音:あり
心臓サイズ:正常
症状:なし
治療
❌ 原則投薬なし
✅ 6〜12か月ごとの心エコー・X線
🔹 B2(心拡大あり)
左心房・左心室が拡大
症状:まだ出ていない
ステージA 初期
発症リスクはあるが、まだ病変ない状態です。健康な心臓病犬種(キャバリア、チワワ、マルチーズなど)や健康な高齢の小型犬が含まれます
心雑音はなく、症状もありません。検査も正常です。
治療は投薬必要なしです
→定期健診(年2回以上)
ステージB
聴診検査で心雑音あるが、心不全症状ない状態です
🔹 B1(心雑音あり、心拡大なし、症状なしです)
治療原則投薬なし
→6〜12か月ごとの心エコー・X線検査がおすすめです
🔹 B2(心雑音あり、心拡大あり、)
治療(超重要)
✅ ピモベンダン開始
❌ 利尿薬は不要
🔑 「症状が出る前に治療する」唯一のステージ
👉 この段階での治療が寿命を延ばすことが科学的に証明されています
ステージC
心不全症状あり(または過去にあった)
主な症状
咳(特に夜間・興奮時)
呼吸が速い・苦しそう
運動不耐性
食欲低下
治療
ピモベンダン
利尿薬(フロセミドなど)
ACE阻害薬 / ARB
必要に応じて抗不整脈薬
👉 症状コントロールと生活の質の維持が目標
ステージD
標準治療に反応しない難治性心不全
症状
安静時でも呼吸困難
頻回な肺水腫
薬が効きにくい
治療
利尿薬増量・併用
トルバプタン、スピロノラクトン
在宅酸素療法
緩和ケアの選択
👉 「治す」より「楽に過ごす」ことを重視

