犬の肥満細胞種の症状と原因、治療について|豊中市のゆう動物病院 NEW
豊中市の皆さんこんにちは。豊中市のゆう動物病院です。今回は犬の肥満細胞種の症状と原因、治療について院長の松村が解説いたします。
犬の体に突然しこりができたとき、「様子を見ていても大丈夫だろうか」「老犬だから仕方ないのかな」と迷われる飼い主様は少なくありません。その中でも肥満細胞種は、見た目が一見おとなしいできものに見える一方で、実は進行の仕方が読みにくく、対応のタイミングがその後の治療成績を大きく左右する病気です。犬 皮膚 しこり、犬 腫瘍 良性 悪性 違い、犬 肥満細胞腫 放置 などの検索をしてこのページにたどり着いた方も多いと思いますが、正しい知識を早い段階で知っておくことが、愛犬を守る大きな力になります。
犬の肥満細胞種とはどのような病気か
肥満細胞種とは、犬の皮膚や皮下にできやすい腫瘍の一種で、肥満細胞と呼ばれる免疫に関わる細胞が異常に増殖することで起こります。肥満細胞は本来、アレルギー反応や炎症に関与する大切な細胞ですが、腫瘍化するとヒスタミンなどの物質を大量に放出し、周囲の組織に強い影響を与えるようになります。そのため、単なる「できもの」では済まされず、かゆみや赤みだけでなく、全身状態にまで影響が及ぶことがあります。
この病気の厄介な点は、しこりの大きさや硬さ、色が非常に多様で、見た目だけでは良性か悪性かを判断できないことです。昨日まで小さかったものが急に腫れたり、触ると赤くなる、逆に一時的に小さくなるといった変化を見せることもあり、飼い主様を混乱させてしまいます。
肥満細胞種は中高齢の犬に多い傾向がありますが、若い犬でも発症することがあり、犬種による差も知られています。特に発症が多いとされる犬種としては、以下のような名前が挙げられます。
・パグ
・ボクサー
・フレンチ・ブルドッグ
・ゴールデン・レトリーバー
・ラブラドール・レトリーバー
ただし、これらに当てはまらない犬でも十分に起こり得る病気であり、「うちは違う犬種だから大丈夫」と考えるのは危険です。
犬の肥満細胞種の主な症状
初期のサイン
初期の肥満細胞種は、皮膚の表面やその下にできる小さなしこりとして見つかることがほとんどです。飼い主様がシャンプー中や撫でているときに「こんなところに米粒みたいなものがある」と気づくケースも多くあります。この段階では、犬自身も特に痛がる様子はなく、元気や食欲も普段通りということが少なくありません。
しかし、肥満細胞種の特徴として、触ったあとに一時的に赤く腫れたり、少しかゆがる仕草を見せることがあります。また、数日から数週間のうちに大きさが変わる、柔らかくなったり硬くなったりするといった変化が見られる場合は、注意が必要です。犬 皮膚 しこり かゆみ という言葉で検索される状況の裏に、この病気が隠れていることもあります。
進行してくると見られる変化
病気が進行すると、しこりの表面がただれたり、出血しやすくなったりすることがあります。さらに、肥満細胞から放出されるヒスタミンの影響で、胃腸に負担がかかり、嘔吐や下痢、食欲不振といった全身症状が現れることもあります。重症例では貧血や元気消失が見られ、日常生活に明らかな変化が出てきます。
肥満細胞種を放置するとどうなるのか、という不安を抱かれる方も多いですが、進行した場合にはリンパ節や内臓へ転移する可能性もあり、治療の選択肢が限られてしまうことがあります。そのため、早い段階で正確な診断を受けることが非常に重要です。
発症する主な原因
肥満細胞種の原因は一つに特定できるものではありません。遺伝的な体質が関与していると考えられており、特定の犬種で多いことからも、その影響が示唆されています。また、慢性的な皮膚炎や炎症が続くことで、肥満細胞が刺激を受け、腫瘍化しやすくなる可能性も指摘されています。
さらに、免疫のバランスが崩れることも発症に関与していると考えられています。加齢によって体の防御機構が変化する中で、細胞の増殖をうまく制御できなくなることが、腫瘍発生の一因になる場合もあります。こうした背景が重なり合って起こる病気であるため、「これをしたから発症した」という単純な話ではないことを理解していただくことが大切です。
当院での検査と診断
当院では、しこりを見つけた際に「とりあえず様子を見る」という判断は極力避けています。まず重要になるのが、細胞診と呼ばれる検査です。細い針を使ってしこりの中の細胞を採取し、顕微鏡で確認することで、肥満細胞が含まれているかどうかを判断します。この検査は体への負担が少なく、その場で多くの情報を得ることができます。
さらに、肥満細胞種が疑われる場合には、血液検査やレントゲン検査、超音波検査を組み合わせ、全身状態や内臓への影響を確認します。これらの検査は、単に腫瘍があるかどうかを見るだけでなく、「この子にとって今どこまで病気が進んでいるのか」「どの治療が最も安全で効果的か」を判断するために欠かせません。当院では原因までしっかり見極めることを大切にし、その結果を飼い主様に丁寧に説明することを心がけています。
治療方法について
外科的治療
肥満細胞種の治療は第一優先は外科手術です。腫瘍を周囲の正常組織ごと十分な範囲で切除することが、再発を防ぐために重要になります。早期で小さい段階であれば、比較的負担の少ない手術で済むことも多く、予後も良好です。一方で、大きくなってからでは切除範囲が広くなり、体への負担も大きくなってしまいます。
内科的治療
腫瘍切除ができなかったり、転移が疑われるときには、内科的治療を実施します。腫瘍の進行を抑えたり、症状を緩和することを目的として行われます。抗ヒスタミン薬やステロイド剤を使用することで、肥満細胞から放出される物質の影響を抑え、かゆみや胃腸症状を軽減することができます。ただし、内科治療だけで腫瘍そのものを完全に消すことは難しく、外科治療と組み合わせて考えることが多い治療法です。
生活環境や食事のケア
治療と並行して、生活環境や食事内容の見直しも大切です。免疫バランスを整えることを意識した食事や、皮膚への刺激を減らすケアは、治療後の回復や再発予防に役立ちます。当院では、その子の年齢や体調に合わせた具体的なアドバイスを行い、治療後の生活まで見据えたサポートを行っています。
治療のゴールは、必ずしも「完全に治す」ことだけではありません。進行度によっては、病気とうまく付き合いながら、生活の質を保つことを目指す場合もあります。その判断を一緒に考えることが、獣医師と飼い主様の大切な役割です。
飼い主様ができる予防と日常ケア
日常生活の中で、愛犬の体を優しく触りながらスキンシップを取ることは、最も身近で大切な健康チェックになります。しこりがないか、皮膚に赤みやただれがないかを、特別なこととしてではなく、毎日の習慣として確認してあげてください。また、食欲や元気の変化、嘔吐や下痢が続いていないかといった小さなサインにも目を向けることが、早期発見につながります。
まとめ
犬の肥満細胞種は、見た目だけでは判断が難しく、対応の遅れが将来に大きく影響する病気です。早期に見つけ、適切な検査と治療を行うことで、愛犬の負担を最小限に抑えることができます。犬 皮膚 しこり 受診 目安 や 犬 腫瘍 早期発見 といった言葉が頭に浮かんだときが、実は受診の大切なタイミングです。
愛犬の様子が少しでも気になる場合や、「これくらいで病院に行っていいのかな」と迷われたときこそ、遠慮なく当院へご相談ください。原因までしっかり見極め、その子にとって最善の選択を一緒に考えることが、私たちゆう動物病院の役割です。

