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犬のリンパ腫の症状と原因、治療について|豊中市のゆう動物病院 NEW

腫瘍科

豊中市の皆さんこんにちは。豊中市のゆう動物病院です。今回は犬のリンパ腫の症状と原因、治療について院長の松村が解説いたします。
リンパ腫は、犬に比較的多く見られる「がん」の一種で、進行すると全身に影響を及ぼす病気です。一方で、早期に発見し適切な治療を行うことで、生活の質を保ちながら長く付き合っていけるケースも少なくありません。そのため、「少し元気がないだけ」「年齢のせいかもしれない」と見過ごされやすい初期の変化に気づけるかどうかが、とても重要になってきます。

犬のリンパ腫とはどのような病気

リンパ腫とは、体の免疫に関わるリンパ球ががん化し、異常に増えてしまう病気です。リンパ球はリンパ節、脾臓、骨髄、消化管など全身に存在しているため、リンパ腫は「全身性の病気」として進行していきます。
多くの飼い主様が最初に気づくのは、首や脇、後ろ足の付け根にあるリンパ節の腫れです。痛みが出にくいため、触ってみて「なんだか大きくなっている気がする」と違和感を覚えるところから始まることがよくあります。

年齢としては中高齢の犬で多く見られますが、若い犬でも発症することがあり、犬種による差も知られています。見やすさのために代表的な好発犬種を挙げると、以下のようになります。

・ゴールデン・レトリーバー
・ラブラドール・レトリーバー
・ボクサー
・フレンチ・ブルドッグ

ただし、どの犬種でも起こり得る病気であることを知っておいてください。

犬リンパ腫の分類

①多中心型
まず最も多いのが、多中心型リンパ腫です。これは体のあちこちにあるリンパ節が次々と腫れてくるタイプで、リンパ腫全体の中でも最も代表的です。首や脇、後ろ足の付け根など、左右対称にリンパ節が大きくなってくることが多く、痛みが出にくいため、触って初めて気づくケースも珍しくありません。元気や食欲は比較的保たれていることも多いので、「しこりはあるけど元気だから様子見でいいかな」と思われがちですが、実際には全身性の病気として静かに進行していることがあります。

②胃腸管型リンパ腫
このタイプはリンパ節の腫れが目立たず、胃や腸に病変ができるため、症状がとても分かりにくいのが特徴です。慢性的な下痢や嘔吐、食欲不振、体重減少といった症状が続き、「フードが合わないのかな」「年齢のせいかな」と思われて受診が遅れることがあります。実際には腸の壁にリンパ腫が広がっていることもあり、長引く消化器症状がある場合は注意が必要です。

③皮膚型リンパ腫
皮膚に赤み、しこり、ただれ、かさぶたのような変化が出るタイプです。最初はアレルギーや皮膚炎と区別がつきにくく、治療してもなかなか改善しない皮膚トラブルとして来院されることが多いです。かゆみを伴うこともあれば、見た目の変化だけが徐々に広がっていくこともあり、「皮膚の病気が長引いている」という相談の裏にリンパ腫が隠れていることもあります。

④縦郭型リンパ腫
胸の中にあるリンパ節や胸腺が腫れるタイプで、呼吸に関わる症状が出やすいのが特徴です。咳が増えたり、呼吸が浅く早くなったり、少し動いただけで苦しそうにする様子が見られます。見た目にはリンパ節の腫れが分かりにくいため、「急に息が荒くなった」という変化が重要なサインになります。

⑤肝脾リンパ腫
肝臓や脾臓に広がる肝脾リンパ腫(肝皮リンパ腫と呼ばれることもあります)では、お腹が張ってきたり、元気や食欲の低下が目立ってきます。血液検査で初めて異常が見つかることも多く、肝臓や脾臓の腫大が進むと全身状態に大きく影響します。このタイプも外から分かりにくいため、定期的な検査の大切さを実感するケースが多いです。

⑥腎臓リンパ腫
腎臓にリンパ腫ができることで腎機能が低下し、食欲不振や元気消失、多飲多尿などの症状が出てきます。慢性腎臓病と区別がつきにくいこともあり、「急に腎臓の数値が悪くなった」という経過の中で診断に至ることがあります。進行すると体への負担が大きくなるため、早めの見極めが重要になります。

犬のリンパ腫の主な症状

初期のサイン

リンパ腫の初期は、とても分かりにくいことが多いのが特徴です。例えば、「最近、散歩の途中で少し立ち止まることが増えた」「食欲はあるけれど、なんとなく元気がない日が続く」といった、年齢や気候のせいとも思える変化から始まります。
この段階では痛みや発熱が目立たないことも多く、首元を撫でたときにリンパ節の腫れに偶然気づいて来院されるケースも少なくありません。

進行してくると見られる変化

病気が進行すると、リンパ節の腫れがはっきり分かるようになり、元気や食欲の低下が目立ってきます。さらに、体重が減ってきたり、呼吸が荒くなったり、下痢や嘔吐など消化器症状が出ることもあります。
放置した場合、がん細胞が全身に広がり、内臓の機能低下や免疫力の著しい低下を招きます。結果として、感染症にかかりやすくなり、日常生活を送ること自体がつらくなってしまうことがあります。

発症する主な原因

犬のリンパ腫のはっきりとした原因は、現在の獣医学でも完全には解明されていません。ただ、遺伝的な要因や免疫の異常、長年の環境要因が複雑に関係して発症すると考えられています。
特定のウイルスや細菌が直接の原因になるというよりも、「なぜ免疫細胞が異常な増え方をしてしまったのか」という体質や体内環境の問題が背景にあるケースが多い印象です。当院では、単にリンパ腫と診断するだけでなく、その子の体全体の状態や免疫のバランスにも目を向けて原因を探っていきます。

当院での検査と診断

当院では、リンパ節の腫れを見つけた段階で、まず丁寧な触診を行い、必要に応じて細胞を採取する検査を行います。これは、腫れている正体が炎症なのか、腫瘍なのかを見極めるために欠かせない検査です。
さらに血液検査では、全身状態や臓器への影響、治療に耐えられる体力があるかどうかを確認します。レントゲンや超音波検査を組み合わせることで、胸やお腹の中のリンパ節、脾臓などへの広がりも評価します。
院長として大切にしているのは、「なぜこの検査をするのか」を飼い主様にきちんと説明し、納得して進めることです。不安なまま治療に進むことがないよう心がけています。

治療方法について

内科的治療
リンパ腫の治療の中心となるのは、抗がん剤を用いた内科的治療です。犬の場合、人と比べて副作用が比較的軽く出ることが多く、「思っていたより元気に過ごせています」と言われることも珍しくありません。
完治を目指すというよりも、病気をコントロールしながら穏やかな時間を延ばすことが治療の目標になるケースが多いです。

外科的治療
リンパ腫そのものに対して外科手術を行うことは多くありませんが、臓器に強い影響が出ている場合や、診断目的で一部を摘出することがあります。その判断も、その子の状態を総合的に見て慎重に行います。

生活環境や食事のケア
治療と並行して、生活環境や食事の見直しも大切です。免疫力を支えるために、無理のない散歩やストレスの少ない生活リズムを整えること、消化に優しい食事を選ぶことが、結果的に治療の支えになります。

飼い主様ができる予防と日常ケア

リンパ腫を完全に防ぐ方法はありませんが、日常の中で愛犬の体に触れる習慣を持つことはとても大切です。首元や足の付け根を撫でながら、「いつもと同じかどうか」を意識するだけでも、早期発見につながります。
また、「犬 リンパ腫 症状」「犬 首 しこり 元気ない」といった検索をする前に、「何かおかしい」と感じた直感を大切にして、早めに動物病院へ相談していただきたいと思います。

まとめ

犬のリンパ腫は、決して珍しい病気ではありませんが、早期に見つけて適切な治療を行うことで、その子らしい生活を守れる可能性があります。放置すると全身状態が急速に悪化することもありますが、必要以上に怖がる必要はありません。
当院では、症状だけを見るのではなく、その背景や原因、体全体の状態まで丁寧に診ることを大切にしています。「最近元気がない」「リンパ節が腫れている気がする」など、少しでも気になることがあれば、迷わずご相談ください。
豊中市で犬のリンパ腫について詳しく診てほしい、原因までしっかり説明してほしいと感じたときは、ゆう動物病院が力になります。飼い主様と一緒に、愛犬にとって最善の道を考えていきましょう。